はじめてのドミニオン

カードゲーム「ドミニオン」の基礎的な攻略をあなたに

#31 7枚目の属州問題とは

 

8金出たら属州を買うべき、とも限らない

 

以下、二人戦での話とします。

 

ターン

・・・

11 12 13 14 15 16

・・・

先手    属州 属州 属州           
後手    属州 属州 属州         

 

二人とも同じペースでデッキ構築が進み、両者とも第11ターンから連続で属州を買いだしたとします。それぞれ属州3枚ずつ買って、ちょうど同点という状況。

 

 

ここで先手が公領を買ったとします。

 

ターン

・・・

11 12 13 14 15 16

・・・

先手    属州 属州 属州 公領         
後手    属州 属州 属州         

 

これで先手は3点リード。残り属州は2枚。

あなたが後手だとして、この状況で第14ターンに8金出たとき、何を買いますか。

こういうとき、属州を買ってませんか。

 

 

買っちゃいけないの?

 

では、もし属州を買うとどうなるでしょうか。

 

ターン

・・・

11 12 13 14 15 16

・・・

先手    属州 属州 属州 公領         
後手    属州 属州 属州 属州      

 

これで後手が逆転し、3点リードするものの、残り属州は1枚。

次の第15ターン、先手に最後の属州を買われると負けてしまいます。

 

ターン

・・・

11 12 13 14 15 16

・・・

先手    属州 属州 属州 公領 属州      
後手    属州 属州 属州 属州 -    

 

そう、属州が計6枚買われて残り2枚になったとき、「7枚目の属州」はそう簡単に買えないんです。

買ったときに点差が6点以上あればいいですが、そうでなければ直後のターンで負けてしまうので。

 

(逆に言えば、引き分けになりそうなとき、先手がそれを避けるためにあえて公領を買うという手もありますね。)

 

 

あるいは、後手が1ターン早く属州を買いだした場合も同じです。

互いに属州を3枚ずつ買った後、後手が公領を買うと、こう。

ターン

・・・

11 12 13 14 15 16

・・・

先手      属州 属州 属州         
後手    属州 属州 属州 公領      

 

続く第15ターン、先手が「7枚目の」属州を買うと、

ターン

・・・

11 12 13 14 15 16

・・・

先手      属州 属州 属州 属州      
後手    属州 属州 属州 公領      

 

同じく、次に後手が属州を買うとゲームは終了し、後手の勝ちとなります。

もし相手が次に8金出せることがわかっているなら、7枚目の属州は買うべきではありません。

 

 

じゃあどうしたら

 

状況を戻して、先手が3点リードして迎えた後手のターン。

ターン

・・・

11 12 13 14 15 16

・・・

先手    属州 属州 属州 公領         
後手    属州 属州 属州         

7枚目の属州を買うわけにはいかないので、8金が出たとしても仕方なく公領を買いました。

 

ターン

・・・

11 12 13 14 15 16

・・・

先手    属州 属州 属州 公領         
後手    属州 属州 属州 公領      

 

ここから先は、先手が公領を買い続ける限り、後手もまた公領を買う”にらみ合い”になります。

 

そのうちにどこかで7枚目の属州を買うとき、先手なら比較的気楽に買えます。後手が属州を買っても引き分けになるだけですから。

ターン

・・・

11 12 13 14 15 16

・・・

先手    属州 属州 属州 公領 公領 属州   
後手    属州 属州 属州 公領 公領    

 

一方後手から7枚目の属州を買うのは負けるリスクがあります。本当にこのゲーム、先手が有利ですよね。。

 

 

そもそもなぜ起こる

 

上の議論は、双方が1ターンに最大で1枚のカードしか獲得できない場合、つまりは1ターンの獲得勝利点が最大で6点であるときに起こるものです。金貨や銀貨に頼って8金を出すことだけを目的としたデッキではこうした問題が解決できません。

一方、改築や職人でカードを余分に獲得したり、市場や議事堂で+購入を得ることで、6点を超える得点を獲得することができるようになります。これまでにいくつか紹介してきた引き切りデッキでは、1ターンに8金1buyを超える金量・購入を出したり、改築で金貨を廃棄するなどの方法で属州2枚獲得を実現しています。こうした強力なデッキを組むプレイヤーがそうでないプレイヤーと対戦したとき、どちらが勝ちやすいか。

これはこの「7枚目の属州問題」を解決できるプレイヤーとできないプレイヤーが対戦していると考えるだけでも、その結果は明らかでしょう。