たとえば基本第二版では、+購入を得ることができるのは市場・祝祭・議事堂の3種しかありません。
これらのような、+購入を得ることができるカードを持っているかどうか、つまりは「購入を増やせるかどうか」が勝敗を分ける要素になる、と聞いて、はたしてピンと来るでしょうか。
以下二人戦における、購入を増やせたから勝てた・増やせなかったから負けた、という状況を実際に挙げてみます。
例1. 最後に10金2購入が出せたから勝てた
先手・後手がともに同じように属州を買っていくゲームにおいて・・
ターン |
・・・ |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
・・・ |
先手 | 属州 | 公領 | 属州 | 属州 | 属州 | ||
後手 | 属州 | 属州 | 公領 | 属州 |
14ターンを終えて、ともに属州3・公領1を買って同点という状況。
そして第15ターン、先手は属州を買って6点リード。後手も同じく属州を買えれば引き分けですが、もしここで10金2購入を出せたら・・
プレイ:
手札:+
属州と屋敷を買って、これで1点差で勝利です。
あるいは、先手が後手に1ターンの遅れをとって・・
ターン |
・・・ |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
・・・ |
先手 | 属州 | 属州 | 属州 | 公領 | ||||
後手 | 属州 | 属州 | 公領 | 属州 | 属州 |
15ターンを終えて、先手は後手に対し属州1枚分だけ負けている状況になった場合、第16ターンで先手が属州を買うと、同点手番差負け(ルール上、同点でゲームが終了したときは、消化ターン数が少ない方が勝ちとなる)になってしまいますが、もしここで1金2購入が出せれば、同じく1点差で勝つことができますね。
例2. 最後に10金2購入が出せたから粘れた
ターン |
・・・ |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
・・・ |
先手 | 属州 | 公領 | 属州 | 属州 | ||||
後手 | 属州 | 属州 | 公領 | 公領 | 属州 |
今度は属州を3枚ずつ買っていて、先手が3点負けているという状況。
続く第16ターン、先手が8金出せたとしてもいわゆる「7枚目の属州」となるため、買ってしまうと負ける可能性があります。
ここで、10金2購入が出せるなら・・
ターン |
・・・ |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
・・・ |
先手 | 属州 | 公領 | 属州 | 属州 | 公領×2 | |||
後手 | 属州 | 属州 | 公領 | 公領 | 属州 |
公領2枚を買うことで逆転。これで今度は後手が8金を出せたとしても「7枚目の属州」を押し付けることになります。
ということは。
先ほどの例1で挙げた展開をもう一度見てみましょう。
ターン |
・・・ |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
・・・ |
先手 | 属州 | 公領 | 属州 | 属州 | 属州 | ||
後手 | 属州 | 属州 | 公領 | 属州 |
この第15ターンで後手が10金2購入を出せば勝てるわけですが、ならばこの第15ターンで先手が買ったこの属州は「7枚目の属州」にあたります。後手が購入を増やせることが分かっているなら、先手はこの属州を買えなくなるのです。
そう、実は「7枚目の属州問題」とは、相手が購入を増やせるときにだけ起こり、増やせないときには起こらなくなる、ということがあり得ます。相手が議事堂を持っていないことをわかっているなら、先手は安心して属州を買えるわけです。
購入を増やすカードの有無はこのように、7枚目の属州問題関連に絞った議論としてもやはり勝敗に大きな影響を与える要素と言えるでしょう。
なお、先ほどから+購入についてのみ論じていますが、実際には「6点を超える点数を得る方法があるかどうか」で決まるため、それ以外の方法があればそちらも考慮すべきです。具体的には以下のような、最終ターンで7点や9点を得る方法があるかどうか。
手札:
手札:
手札: