密輸人のジレンマ
ABCの3人で対戦し、プレイの手番がこの順で回るとしましょう。
AとBが密輸人を数枚入れ、それぞれが公領と公爵を買い集めるプレイをする一方、Cが8金で属州を買うルートに進んだ場合、何が起こるでしょうか。
Aが5金で公領や公爵を買った次のターン、Bの手札に密輸人があれば、それにより苦労することなく公領や公爵を得ることができますよね。
一方Aの密輸人は、その前のターンでCが公領や公爵を買ってくれているわけもなく、せいぜいCが金貨を買っていればそれを得る程度にしかならず、属州を買われてしまうと何も得られなくなってしまいます。
右隣のプレイヤーと方針が同じであるときの密輸人は強く、そうでないときの密輸人はそうでもない、ということになります。
密輸人を買うべきかどうか、あるいは公領公爵ルートと属州ルートのどちらを選択するべきかは、座り順と他のプレイヤーの動向をも気にする必要があるようです。
民兵の「おしごと」
同じく3人戦で、3者が(ほぼ)引き切りデッキを作ったとしましょう。ただしAだけが民兵を入れており、それを毎ターン打ってくるとします。
この場合、3者のターン開始時の手札は・・
- A:5枚
- B:3枚
- C:3枚
と、当然こうなりますよね。
この民兵により、BとCはデッキを完全に引き切ることができず、銅貨2枚程度を捨て札に残したままとなることで、少しだけAより不利になってしまう、としましょう。
さて、もしBもまた民兵を入れ、これを毎ターン打つとどうなるでしょう。
結局Aも毎ターン民兵を打たれるわけですから・・
- A:3枚
- B:3枚
- C:3枚
と、全員3枚スタートとなります。
さて、この「AとBが毎ターン民兵を打つ」という状況で、
Cも民兵を買うべきでしょうか。
答えは「買うべきではない」です。
だってまったく意味ないんですから。
Cは民兵を打たなくても、どうせAとBは毎ターン手札3枚になるんですから。
と、いうことは。
Aだけが民兵を打つ状況から、BかCのどちらかが民兵を打てば「Aも含めて全員毎ターン3枚」にできるわけですが。
その民兵を打つ役割、Bにとっては「自分がやらなくてもいい」んですよね。Cにやらせればいいわけで。
特にアクション数に余裕がないデッキであれば、民兵に1アクションを割くより、もっと他のことをやりたいとも思うわけですから。
Aにも民兵を食らわせたいなと思ったとき、うっかりその役割をB自身が買ってしまうと、Cが「じゃあ自分はやらなくていいな」と思わせてしまい、Cを楽にさせることに。
一方Cもまた、民兵を入れるとBを楽させることになってしまうため、このあたりを理解している人同士だと「おしごとの押し付け合い」になるわけですね。どっちがAを止める「しごと」をするんだ、と。