#34 デッキが厚いということ
これも「毎ターン8金出るデッキ」
こんなデッキを作ってみました。
デッキ総枚数は20枚。これをシャッフルして5枚ずつに分けたところ、ご覧の通りちょうど8金ずつ出るようになりました。少なくとも以降4ターンは「毎ターン8金出るデッキ」なわけです。
では、この直前の、デッキが19枚のときの状態を見てみましょう。
手札:
山札+捨札:×4 ×3 ×5 ×2
この6金で金貨を買えば、上の状態となりますが。
よく考えると、ここで金貨を買うのって、なんだかとってももったいない気がしませんか。
この金貨は、合わせて20枚のデッキの中に混ざった後、次の1周に手札で使われるのは4ターンに1度だけです。
その後も1ターンに1枚カードを買うため、さらにその次の1周では24枚の中の1枚でしかなく、およそ5ターンに1度しか使われません。
つまり、この後ゲームが9ターン続くとしても、その9ターンで2回しか使われないのです。
一方、#1 薄くて濃いデッキで書いた方の「毎ターン8金出るデッキ」を見てみましょう。
この1ターン前の状態は、こう。
(この6金で金貨を買い、次のターンは銅貨廃棄と属州購入を同時にします。)
ここで買う金貨、以降毎ターン使われるようになりますよね。
要するにこういうことです。
- 総枚数20枚の、1周4ターンかかるデッキで毎ターン金貨をプレイするためには、金貨は4枚必要。
- 総枚数5枚のデッキで毎ターン金貨をプレイするためには、金貨は1枚でよい。
このように、デッキが厚ければ厚いほど、デッキを強くするのに必要なカードの枚数は増えるため、相対的に強いカード1枚を入れたときのデッキに与える影響は小さくなってしまいます。一言で言えば、強くするための効率が悪くなる、ということです。
アタックに対する耐性
あるいは、魔女による呪いを受けることを毎ターン避けるために堀を入れるとしたとき、必要な堀もまた、デッキが厚ければ厚いほど多く必要になってしまいます。
実際にはこのようにきれいに分かれるとも限らず、固まってしまえば堀を持たないターンも生まれます。
一方、総デッキ枚数が5枚なら。堀が1枚あれば確実にアタックを防げますよね。
あるいはサプライに堀がなく、デッキに呪いが混ざってしまう場合に、その呪いを礼拝堂で廃棄することを考えてみましょう。
20枚デッキに呪いが混ざり、それに礼拝堂があるとしても、その中で呪いと礼拝堂がうまく出会ってくれるでしょうか。
出会ったとしても1枚がいいところであり、さらに礼拝堂1枚を打てるのは4ターンに1回しかないのでは、呪いが増えるペースに廃棄が追い付かず、デッキ内の呪いは増える一方です。
一方、薄いデッキでは礼拝堂を毎ターン打てて、そこに呪いもある可能性が高いです。
たとえ毎ターン魔女を打たれたとしても、その呪いを毎ターン廃棄することができれば、デッキに呪いが溜まることはありません。
※とはいえ、実際にはカードを購入していくとすぐにデッキが厚くなっていくため、そううまくはいかなくなっていきます。たとえば多少の研究所を入れるとか。
※あるいは地下貯蔵庫を入れ、属州を買うターンと、属州を諦めて呪いを廃棄するターンに分ける、など。
この地下貯蔵庫で金貨銀貨属州を捨てて3枚チェンジし、礼拝堂で呪い2枚を廃棄する
メタボデッキと表現してたのは誰だったっけ
そういうわけで厚いデッキは、1枚のカードが働く機会が少なく、デッキ強化に必要なカードの枚数も多くなり(=デッキ強化に時間がかかり)、アタック耐性も低いということがわかりました。厚いデッキは鈍いデッキと覚えておけばだいたい大丈夫です。
実は今回書いたことは#1の結論の言い換えでしかないのですが、では厚いデッキがいかにダメなのか、について書いてみました。実際に見てみると理解できたのではないでしょうか。