ターミナルとは
基本第二版に含まれるアクションカード25種を、以下のように分類してみました。
+2アクション |
|
+1アクション | |
特殊 | |
ターミナル |
「+2アクション」と「+1アクション」は文字通りその数だけアクションが増える効果を持つもの、「特殊」はアクションを増やすことはないものの他のアクションカードをプレイする効果があるものですが、それ以外の、他のアクションカードをプレイすることに役立たないカードを「ターミナル」と分類しています。
さて、こんなゲームで初手が4-3だったとき、鍛冶屋-礼拝堂と買ったとします。鍛冶屋は強いですし、礼拝堂も強いですからね。
そしてその次のターン。
【第3ターン】
手札:
山札:
この鍛冶屋を打って3ドローしたとき、そこで礼拝堂を引いてしまうと打てません。
プレイ:
手札:+
山札:
ここで銀貨を買ったとします。
【第4ターン】
手札:
山札:
このとき山札は8枚になるため、第5ターンに「鍛冶屋で礼拝堂を引いてしまう」事故がまた起きたり、鍛冶屋と礼拝堂が同時に手札に来ることが起きてしまいそうに見えませんか。
山札:
山札:
初手で買った礼拝堂が、いつまでたっても打てなくなってしまいます。
この「鍛冶屋-礼拝堂」のように初手でターミナルを2枚買ってしまうと、2周目に両方が手札に来るとどちらか一方しか打てず、2枚のうち1枚が無駄になってしまいます。
特に鍛冶屋などのドローカードは、ドローしたことでもう1枚を引いた場合でも同じ状況になるため、特にこの事故が起こりやすいカードと言えるでしょう。
ではどうすればよかったのか。
鍛冶屋-銀貨だったなら
第3ターンに時間を戻して。
もしも礼拝堂の代わりに銀貨を買っていたなら、この礼拝堂の位置にその銀貨があったはずなので・・
プレイ:
手札:+
山札:
ここで6金が出ていたはずです。
密猟者-礼拝堂だったなら
あるいは、鍛冶屋の代わりにターミナルでない密猟者を買っていたとしたら。第3ターンの手札はこうなっていたはずで・・
【第3ターン】
手札:
山札:
密猟者を打てば・・
プレイ:
手札:
山札:
5金で研究所か市場を買い、次の第4ターンでは礼拝堂で銅貨2枚と屋敷2枚を廃棄できたはずです。
どっちつかずの鍛冶屋-礼拝堂
というわけで、上の例では「鍛冶屋-銀貨」から2周目に6金を出すことに、「密猟者-礼拝堂」からは2周目の4枚廃棄に成功していますが、「鍛冶屋-礼拝堂」ではそのどちらも叶わず、第3・第4ターンともに4金を出しただけという結果になりました。
もしも三人戦で、プレイヤーABCが初手にそれぞれ「鍛冶屋-銀貨」「密猟者-礼拝堂」「鍛冶屋-礼拝堂」を選び、まったく同じシャッフル結果だったとした場合、これだけの差が生じることになるわけです。このゲームでCが勝てる可能性はかなり低くなったと言えるでしょう。
その初手、何をするつもり?
もう一度サプライを見てみましょう。
初手4-3だったとき、2周目に6金を狙いたいなら「鍛冶屋-銀貨」ですし、圧縮を優先するなら「密猟者-礼拝堂」ですが(参考:#1 薄くて濃いデッキ)、「鍛冶屋-礼拝堂」はそのどちらをしたいのかよくわからず、結局は2周目にどちらもできなくなってしまいます。
ドミニオンというゲームで最も勝敗を決める要素は2周目の結果であり、初手はそれを成功させるための準備です。
何をしたいのか、まずは方針を決めてから初手を選び、それが2周目にどんなタイミングで手札に来るとどうなるかを考えておきましょう。特に初手でターミナル2枚を選ぶのなら、それが2周目で被っても本当にいいのかを。