何を買う?
初手5-2で、このサプライだったとします。
呪いを防ぐことも廃棄することもできないゲームでは魔女は強く、相手より早く打つことで大きなアドバンテージを得ます。そのため5金は魔女を買うとして、さて2金では地下貯蔵庫を買うべきでしょうか。
似たような問題を#8 パスせよでも考えましたが、あちらとは結論が異なり、今回の2金では地下貯蔵庫を買うべきです。
ではその理由はなんでしょうか。
- 理由その1:魔女が早く打てるから
このサプライのような、魔女を早く・多く打つことを争うゲームでは、とにかく回転力を上げることが第一目標になります。回転と言えば、地下貯蔵庫ですね。
【第3ターン】
手札:
山札:
第3ターン、手札に地下貯蔵庫があり、山札の4枚目までに魔女があるとき、地下貯蔵庫で4枚チェンジをすれば魔女を引いてこれます。
手札:+
山札:
捨札:
魔女を打って呪いを撒き、2ドローすると、こう。
手札:+
山札:
捨札:
この4金で何かを買い(仮に銀貨とします)、クリンナップフェイズで手札と場にプレイしたカードをすべて捨てると、こう。
山札:
捨札:×7 ×2
山札は残り1枚しかないため、またすぐに捨て札をシャッフルして山札を作ることになります。
ここに魔女があったら。あるいは地下貯蔵庫があってまた魔女を引いてこれたら。2ターン連続で魔女を打つことができます。
一方、地下貯蔵庫を買わなかった場合はどうでしょう。
上の第3ターンの状態から地下貯蔵庫だけを抜くと、それより下のカードが1枚上に繰り上がり、、
【第3ターン】
手札:
山札:
第3ターンに魔女を打つことは叶わず、4金で何かを買うだけになります(銀貨とします)。
【第4ターン】
手札:
山札:
捨札:
ここから魔女を打って2ドローすると、リシャッフルが入ってしまいます。
手札:+
山札:
すると、いま山札にあるこの5枚が第5ターンの手札になるわけですから、ここでも魔女は打てず、2回目に魔女を打つのは早くても第6ターン以降となってしまいます。
比較:
初手 | 1回目の魔女 | 2回目の魔女 |
魔女-地下貯蔵庫 | 第3ターン | 早ければ第4ターン |
魔女-パス | 第4ターン | 早ければ第6ターン |
- 理由その2:デッキが12枚になるから
今回の本題です。
当たり前の話ですが、初手:魔女-地下貯蔵庫と2枚買えばその時点でのデッキは12枚になります。一方魔女-パスでは11枚にしかなりません。
この差は、第4ターンに魔女を打ったときに意味が生まれます。
初手:魔女-パスで第4ターンに魔女を打った時の展開は上の通りで、次に魔女を打つのは早くて第6ターンですが、魔女-地下貯蔵庫で、第3ターンにどちらも打ってない場合はどうなるか。
【第4ターン】
手札:
山札:
捨札:
第3ターンで銀貨を買い、第4ターンで手札に魔女が来たところ。
いまここで魔女を打つと山札から地下貯蔵庫を引きますが、この地下貯蔵庫は打つことはできません。
手札:+
山札:(なし)
捨札:
普通「打てないアクションカードを引いてしまう」ことは避けるべきであり、その意味では失敗したかのように思えるのですが、実はこの状況、そんなに悪くないんです。なぜならアクションフェイズ中にシャッフルが入らなかったから。
山札がちょうどゼロになったことで、次のターンの手札を引く前にデッキすべてのカードをシャッフルすることになります。そう、またここに魔女や地下貯蔵庫を引く可能性があるのです。
比較:
初手 | 1回目の魔女 | 2回目の魔女 |
魔女-地下貯蔵庫 | 第4ターン | 早ければ第5ターン |
魔女-パス | 第4ターン | 早ければ第6ターン |
第4ターンに魔女を打って2ドローするとき、山札が1枚であればリシャッフルが入りますが、2枚であれば入りません。つまり2周目に入った時のデッキ総枚数が11枚ならリシャッフルが入り、第5ターンの手札は「地下貯蔵庫も魔女もない5枚」で確定、次に魔女が打てるのは第6ターン以降となってしまいますが、デッキ総枚数が12枚ならリシャッフルは入らないわけです。
「第4ターンに魔女を打ったときにリシャッフルを避ける」ためにデッキを12枚にしておくという点で、たとえ2周目に打てなかったとしても、地下貯蔵庫には意味が生まれます。
いつでも12枚の方がいいのか
上の例では「12枚の方がリシャッフルが入らなくてよい」という結論になりましたが、では2周目に入るときにパスはできるだけするべきではないのでしょうか。このサプライに地下貯蔵庫がなかったとしたら、「初手:魔女-パス」よりも「魔女-銅貨」の方がマシなのでしょうか。
実は、12枚デッキにはデメリットもあります。それは買ったカードが沈みやすいという点です。
魔女と銅貨を足した12枚のデッキをシャッフルして2周目を始めるとき、魔女が上から5枚目までにあれば第3ターンに、6枚目から10枚目までにあれば第4ターンに打てますが、11~12枚目なら第5ターンまで待つことになります。いわゆる「魔女が沈む」というやつです。その確率は2/12=16.7%。
もし魔女-パスで11枚デッキだったら、魔女が沈むのは11枚目にあったときのみ。確率は1/11=9.1%しかありません。
つまり、デッキの枚数だけで魔女が沈む確率が変わってくるため、どちらかというと12枚より11枚の方が沈みにくいわけですが、地下貯蔵庫はその底に沈んだ魔女を引いてこれるという利点でカバーできるのです。
【第3ターン】
手札:
山札:
第3ターンに4枚チェンジをし、その4ドローで魔女を引いてこれなかったとしても、次の第4ターンには引けるようになっています。
【第3ターン】
手札:
山札:
あるいはこのように第4ターンに地下貯蔵庫を打つ場合でも、やはり底に沈んだ魔女を引いてくることが可能です。
というわけで、まとめ。
初手で魔女を買うとき、12枚よりも11枚デッキの方がよい場合が多いが、ただし相方が地下貯蔵庫なら12枚になっても問題ない。と覚えておきましょう。